インタビュー

第1回ライフステージ 木下昭氏インタビュー

1960年生まれ 東京都新宿区出身 福祉作業所ライフステージ責任者

過去には、仕事上の取引先企業の経営者から個人としての能力を高く評価され、側近として、現在でいうところの経営・事業戦略コンサルタントに該当する役割を担い、その企業の事業拡大と発展(小規模企業から上場有名企業にまで成長)に大きく貢献した職歴を持つ。
1999年、息子AKI君の画家としての活動をサポートするため、福祉作業所ライフステージを東京都世田谷区に設立。
個展やイベントの企画・運営、商品開発を行い、自身の体験から障がいを持つ子どもの保護者への前向きに生きて欲しいという願いから、個展会場やイベント時に「ライフサポート提案窓口」を設けている。自身の、全国各地での講演。ディスカッション出演、各メディアへの出演も多数、著書に、AKI君との共著「ぼくのライオン、みどりいろ」(サンマーク出版)が2012年から発売中。

木下昭氏

記者:ライフステージを始められたきっかけや経緯を教えてください。

木下氏:「自分の子供が、知的障がい者であることが分かったとき、全くどうしていいのか分かりませんでした。周囲にもそのような境遇の人はおらず、途方にくれてしまいました。そして、考えたのです。障がいがあることは分かった。じゃあ、これからどうしようか?何をしていけばいいんだろう?と。
そうしたら、まずは、自分自身が知的障がいとAKIについて徹底的に理解しなければと感じました。AKIの目線まで降りていって、同じように物事を見たり、その行動を理解しようと努力しました。四六時中AKIと一緒に過ごす生活を始め、AKIと共に生きていくための手段や方法を模索する日々が続きました。
その生活の中で、AKIが自発的によく絵を描く事を発見したんです。何時間でも黙ってずっと絵を描いている。それで、じゃあこれを将来的にAKIの仕事としてサポートしていけばいいのではと決心したのです。」

記者:周囲の反応はどうでしたか?

木下氏:「そりゃあ、皆反対しましたよ。否定的な意見ばかりでした。話しをした人全員に止めた方がいいと言われました。妻にも反対されました。でも、自分ひとりでも、AKIの活動をサポートし、共に生きていくことを選びました。AKIの絵を趣味ではなく、仕事として一緒に活動していこうと思ってましたから。」

記者:活動を続けていく中で、周りの反応は変わってきましたか?

木下氏:「ええ。それはもう、すごく変わりましたね。今では、周囲に人がどんどん集まってきてくれるような状態です。」

記者:AKI君の絵も多方面で認められているようですが、父親として息子のアーティストとしての才能をどう思われますか?

木下氏:「僕自身は、AKIの絵の評価や才能については一切言及しません。それは、当たり前なことですが、作品を見た人が判断することであるからです。大手企業とも取引させていただいておりますが、取引する以上、その顧客の要望を満たすことが必要であり、私自身が判断することではないと思っています。だから僕はAKIにも厳しいですよ。」

記者 :AKI君の絵のファンも年々増えていらっしゃるとか?

木下氏:「AKIのファンは、女性の方が多いんです。先日のバレンタインもたくさんチョコレートいただきました。僕自身がもらったのも結構ありますけどね(笑)。ありがとうございます。」
(紙袋いっぱいのチョコレートを嬉しそうに見せてくださいました。)

記者:最近は、女性の間でもスマートフォンがかなり普及してきているようですが、木下さんは早くからそのスマートフォンに知的障がい者への支援になるような機能が搭載されたものがあればいいのにと提唱されていたとか?

木下氏:「そうなんです。僕自身の経験からも、障がいをもつお子さんのいるご家庭では、非常に役立つものだと思っています。親御さんや保護者の方の大きな支援になりえると思いますよ。
実は、AKIは過去に家出の経験が4回あり、その内、一回は36時間不明状態が続いた事があります。もう、心配でいてもたってもいられなくて。
その時のことを思い起こすと、あの時にこのようなアシストスマホがあればどんなに良かったことかと思います。スマートフォンがここまで普及したことに感謝しています。ようやくこのような製品が開発されたわけですから。」

記者:このアシストスマホのマニュアルに、AKI君の絵が採用されたとお聞きしましたが。

木下氏:「こちらです。
(絵を並べて見せてくれました。)このアシストスマホが普及することで、少しでも私と同じような立場の方の助けになればいいなと思ってます。」

記者:今後の活動予定を教えてください。

木下氏:「AKIを中心に活動してきたライフステージも今年で15周年を迎えます。今年は、その節目としての個展やイベント、私の講演会などで11月まで予定が入っており、お蔭様で忙しくさせていただいております。これまでご支援、ご協力いただいた多くの方々に感謝しております。」

記者:最後に、障がいを持つ方の保護者や支援者へのメッセージをお願いします。

木下氏:「社会生活を送る上での障がいというマイナス要素が存在する。それは事実です。でも、それを認めたうえで、じゃあどうしていこうか?何ができるのか?という意識にシフトしていって欲しいと思います。僕のように、共に生きていく過程を楽しんでいけるぐらいまでになっていただけたら最高ですが、これまでたくさんの同じような境遇の方々とお会いし、現実問題として、それぞれ事情は違いますから、口で言うほど簡単なことではないことも理解しております。
そんな中でも、僕とAKIの活動が、少しでも励みになる、参考にしていただければとの思いが強くあります。そして、そんな人達が他者との関係性を築いていけるような、少しずつでも開けた社会になっていくための架け橋になれれば最高だと思っています。」

ライフステージ活動予定ご案内

  • 3月28日~3月6日
    「画家AKI27歳Birthday&福祉作業所ライフステージ15周年記念個展in銀座」
    場所:銀座Gallery「NOAH・ノア」
    東京都中央区銀座3-9-2 銀座ノアビルB1
  • 4月5日
    「AKI×SENSE OF WONDER」(仮名)
    場所:伊勢丹新宿店 本館6F
    東京都新宿区新宿3-14-1
  • 4月19日、20日
    「AKI×J.PRESS CLUB Pint Live」(仮名)
    場所:PREMIERE YOKOHAMA
    神奈川県横浜市都筑区中川中央1-30-1
  • 4月23日~4月30日
    「画家AKI27歳Birthday&福祉作業所ライフステージ15周年記念個展in京都佛光寺大善院」
    場所:真宗佛光寺派 大善院おてらハウス
    京都府京都市下京区新開町397-9

※お問い合わせ先:福祉作業所ライフステージ
E-mail:lifestage.aki41@wonder.ocn.ne.jp
URL:http://www.life-aki.com/